Inkscapeのマニュアル本を出版しました。

3分間で糖尿病治療の基本をレクチャー

当薬局にも新任?薬剤師が赴任してまいりました。
新任?と言うより、調剤薬局未経験の薬剤師です。
薬学部卒業後10年以上が経過しているので、糖尿病の基本を3分でレクチャーしてみました。
その内容を書いておきます。

PR

現在の主流(2015年時点)

まずはじめに、最近の糖尿病治療ではDPP-4阻害剤を第一選択とした処方がよくあるということを確認しました。

これまでインスリン分泌が不十分な患者にはSU剤・非SU系インスリン分泌促進薬が使われてきましたが、現在はその役目がDPP-4阻害剤に移りつつあります。

通常の生体反応では、血糖値が高くなったときにインスリンが分泌されますが、SU剤やインスリン分泌促進薬は血糖値に依存しないでインスリン分泌を促進します。

そのため、血糖値がそれほど高くない状態でもインスリン分泌が促進されてしまうので、比較的低血糖を起こしやすい薬剤でした。

それに比べてインクレチン関連薬(DPP-4阻害剤やGLP-1作動薬)は血糖値が高いときにインスリン分泌を促進させるので、生理反応により近いインスリン分泌をしてくれます。

その安全性から現在はDPP-4阻害剤が主流となっています。

GLP-1作動薬が使いにくい理由

GLP-1作動薬はペプチドなので、内服すると消化管で分解されてしまいます。

そのため、投与するときは皮下注キットを使用します。

DPP-4阻害剤は内服で効果があるので、錠剤で投与できます。

皮下注となると患者が怖がってしまうことや、皮下注のやり方を教えることが必要など1段階ハードルが上がってしまいます。

これを考慮するとDPP-4阻害剤が現段階では一番使いやすいといえます。

インスリン抵抗性にはビグアナイド・チアゾリジン

高血糖状態が継続していると、インスリンの作用が低下してしまうことがあります。

これをインスリン抵抗性といいます。

インスリン抵抗性は肥満患者で多く見られる状態で、これにはアディポカインという脂肪組織から分泌されるサイトカインが関係していると言われています。

抵抗性ありの症例にはビグアナイド系・チアゾリジン系の薬剤が使用されます。

ビグアナイド系は糖新生の抑制と末梢組織での糖の利用を促進するので、体重増を助長しません。

肥満のあるインスリン抵抗性患者で効力を発揮しやすいです。

また用量依存性に効果が増すので、乳酸アシドーシスを回避できる症例ではなるべく高用量を使用します。

糖の利用を促進して体重を減少させる効果も期待できます。

チアゾリジン系は脂肪細胞に作用して、大きくなった脂肪細胞を分化させ、小型の脂肪細胞に変化させます。

これによって、善玉アディポカインの代表例であるアディポネクチンを増加させることで、インスリン抵抗性を改善する作用があります。

脂肪細胞に作用することから、BMIが高ければ高いほど効果を発揮しやすいという特徴があります。

食後高血糖にはαグルコシダーゼ阻害剤

食後に一気に血糖値が上昇するのは誰でも同じなのですが、これが異常に高い場合には薬剤を使用します。

αグルコシダーゼ阻害剤は糖を分解する酵素を阻害して、糖分が単糖になるのを遅くするので食後の高血糖を防ぐ働きがあります。

血糖値変動が大きな患者は血管障害を起こしやすいというデータがあるので、食後に大きく血糖値が上昇する患者にはαグルコシダーゼ阻害剤が使われます。

糖の排泄を促進するSGLT-2阻害剤

2015年に新規に承認された糖尿病治療薬です。

腎臓の近位尿細管では原尿に排泄された糖を再吸収するSGLT-2というトランスポーターが発現しています。

これを阻害することで尿中に糖を排泄させ、血糖値を下げる働きあがあります。

糖を排泄するので、体重減少などの効果も期待できます。

注意点は尿路感染症と浸透圧勾配による水分排泄促進(脱水)です。

おわりに

生活習慣病治療薬、特に糖尿病などの内分泌関連の疾患は患者数が多く、完治が難しい分野です。

今後新たな薬剤が追加されていくので勉強は怠らないようにしたいですね。

 

PR
最新情報をチェックしよう!