以前、問い合わせがあったinkscapeで「フチ文字」を作る方法を紹介します。
文字の周りを縁取るので「フチ文字」と言われています。「囲み文字」とは意味が違うので、調べるときは「フチ文字」で検索をしましょう。
inkscapeでは「フチ文字」の作り方は2つあります。最終的に出来上がるものが違うので、完成図から自分が使いたい方で作成してみてください。では始めていきます。
この記事のアウトライン
フィル/ストロークを使った「フチ文字」
テキストツールで作成した文字のストロークを設定することで簡単に縁文字を作ることができます。
テキストの作成
![](https://nahcew.com/wp/wp-content/uploads/2019/02/aa49ed206f5109e73a956f3d362b4af6-740x463.png)
テキストツールで文字を入力します。
ストロークを設定
![](https://nahcew.com/wp/wp-content/uploads/2019/02/a2224818bd47a7a8744e97687d5002e1-740x508.png)
[shift]を押しながら、カラーパレットの色をクリックしてストロークを追加します。
ここまででフチ文字が作成できました。
ストロークのスタイルを開く
![](https://nahcew.com/wp/wp-content/uploads/2019/02/27f6cdc0161332a01c17ba1a58f94d8a-740x508.png)
ストローク幅を調整します。
ストローク幅を広くする
![](https://nahcew.com/wp/wp-content/uploads/2019/02/16981ded87bc5a3c8582a4f3d07d7b35-740x508.png)
「幅:2.5px」に変更して縁取りを広くしました。
重なりを変更
![](https://nahcew.com/wp/wp-content/uploads/2019/02/0ecb415f47b3092e8f8037c9bcacc28b-740x508.png)
フィルとストロークの重なり方を選択します。
「Stroke, Fill, Markers」をクリックしてストロークの上にフィルが配置されるようにしました。
パスのオフセットを使った「フチ文字」
テキストをパスへ変換し、オフセットを使って膨張させたものを「フチ」として使う方法です。
あとから変更が難しいのですが、ストロークの設定だけではできなかったフチ文字が作れます。
テキストを2つ用意する
![](https://nahcew.com/wp/wp-content/uploads/2019/02/465073319cfeabe7c9e46ec71673592c-740x508.png)
テキストを作成し、コピーして、全く同じテキストを2つ用意します。
テキストをパスへ
![](https://nahcew.com/wp/wp-content/uploads/2019/02/e8de55943f77276254964dba47b2662e-740x508.png)
片方のテキストを選択し、[パス]メニューから[オブジェクトをパスへ]を実行して、テキストをパスへ変換します。
パスを結合
![](https://nahcew.com/wp/wp-content/uploads/2019/02/50172fbb1b4e1a12db268ec13f09bb6c-740x508.png)
テキストをパスへ変換すると、1文字ずつのパスがグループ化された状態になります。
このままでは1つのパスとしてテキストを扱えないので、[パス]メニューから[結合]を実行して、1つのパスに結合します。
ダイナミックオフセットを設定
![](https://nahcew.com/wp/wp-content/uploads/2019/02/bbdcb9513d555b9f0a3d9de900cabe7e-740x508.png)
更に選択したまま、[パス]メニューから[ダイナミックオフセット]を設定します。
設定されると、オフセット用のハンドルが表示されます。
オフセットする
![](https://nahcew.com/wp/wp-content/uploads/2019/02/3d2d50719fbedba4c50e813207d8ae4e-740x508.png)
ハンドルをドラッグすると、テキストがオフセットされます。
中心をあわせて重ねる
![](https://nahcew.com/wp/wp-content/uploads/2019/02/9627de2af547a971ef9c02c52d9f8fb7-740x508.png)
オフセットしたパスに色を付け、テキストとパスを両方選択します。
[整列と配置]を開き、水平垂直の中心を合わせます。
これでフチ文字が完成しました。
2重の「フチ文字」の作り方
オフセットとストロークを利用すると、2重縁取りをすることができます。
組み合わせることでフチ文字の色々なバリエーションを作ることができます。
テキストとパスを準備をする
![](https://nahcew.com/wp/wp-content/uploads/2019/02/e8bbb6b0849bb4a9fd44ecda9d71aa6c-740x508.png)
オフセットで作ったパス、テキストの2つを用意します。
オフセットにストロークをつける
![](https://nahcew.com/wp/wp-content/uploads/2019/02/7d2a400bd1b0f9436ff10ff2b7e61599-740x508.png)
オフセットしたパスにストロークを設定します。
水平垂直に中央揃えをすると、2重の縁取りができます。
おわりに
ストロークやオフセットを使うと様々な縁取りができます。
テキストに限らず、いろいろなオブジェクトで同じように縁取りができるので、ぜひお試しください。
このブログでは他にもInkscapeのテクニックを紹介しています。
役立つものもが見つかると思うので、チェック⇩してみてください。