ナウゼリン®は吐き気止めとして現在でもよく使われる薬です。
ナウゼリン®にはジェネリックがあり、ドンペリドン錠として発売されているので、すでにジェネリックの取り扱いとしては浸透している思います。
そんなナウゼリン®ですが、2012年にOD錠が新規に発売となりました。
特許があるので、OD錠とつくジェネリックはまだ発売されていませんが、健康保険法でジェネリックの類似剤形への変更が認められているので、OD錠の処方でも普通錠に変更することが可能です。
しかし、普通錠だとOD錠のように口に入れた瞬間崩壊しないのではないか?と思ってジェネリック変更しない薬剤師の方もいるのではないでしょうか?
そこで、採用すべきジェネリックとしてエルメッドエーザイのドンペリドン錠「EMEC」が挙げられます。
エルメッドエーザイのドンペリドン錠は湿性錠と言って、少量の水分ですぐに崩壊するようにできています。
その為、実際上はOD錠と同じような使用感で服用することができます。
逆に普通錠で処方された患者さんにはちゃんと説明した方がいいと思います。
「口の中で溶けやすいですが、普通の錠剤と同じように水で飲んでください。」と言えばそれほど問題にはならないでしょう。
湿性錠とは?
製剤技術の一つに、原料を湿らせて、それを型にはめて整形した後に乾燥させて製材する方法があります。
この製法を使って作られている錠剤を湿性錠と言います。
乾燥させた段階で水分が含まれていた部分が空洞になり、水分を吸収する隙間が増えることになります。
これによって、口に入れた瞬間にふわっと解けるような錠剤となります。
分類上は普通錠(素錠)と同じ扱いのため、OD錠(口腔内崩壊錠)と必ずしも同等であるというわけではありません。
服用方法も必ず水とともに服用となります。
ただ、嚥下困難の患者にとって見れば、口の中で溶けるのでOD錠と大差はありません。