メインで使用しているPCのフォントを整理した後のことです。
Windowsにインストールされていないはずのフォントが、inkscapeでは表示されているという不可解な状態になっていました。
フォントが存在していないはずなのに、inkscapeを開くとフォントが表示されているのです。
テキストオブジェクトにそのフォントを適応してみると、書体が変更できてしまうという優れもの?!でした。
ネット上の情報を元に、システムのフォントキャッシュを削除したり、inkscapeが利用しているフォントキャッシュを削除したり、セーフモードで起動してみたり、日本語の情報があるものは全て試しましたが、全部ダメでした。
最終的に自力で試行錯誤した結果、たまたま元に戻せたので、解決までの手順を記録しておきます。
アンインストールしたフォントファイルが残っている?
本当に盲点でした。
Windowsのフォントアンインストールで削除したフォントファイルが、フォントフォルダ内に残っていました。
FTPソフトでフォントフォルダを見たら・・・
エクスプローラーがフォントファイルを表示していないだけで、データとしては存在しているってことです。
今回の現象は、残ったフォントファイルをinkscapeが読み込んだために起こってしまったようです。
表示されたフォントファイルをFTPソフトで削除して・・・
inkscapeを再起動すると・・・
やってくれるじゃないですか!Microsoftさん!!
だからMacユーザーが増えるんですね・・・
私はこの現象を「MSゾンビフォント」と呼ぶことにします(笑)
MSゾンビフォントの出現条件
ゾンビフォントは同じフォントを、削除せずに2回以上インストールすると出現します。
その理由は、Windowsの謎の機能が関係しています。
すでにインストール済みのフォントを再度インストールしようとすると、フォントを「置換しますか?」と聞かれます。
ここで「はい」を選んでインストールすると、新しいフォントファイルにはバージョン番号(「_0」など)が付加されて、フォントファイル内に残るようになります。
やっかいなのが、バージョン番号付きのフォントファイルはアンインストール時に削除されないのです。
これがゾンビフォントの正体です。
しかも、バージョン番号とは名ばかりで、元のバージョンに戻すこともできません。
本当に謎の機能です。
まとめ
- MSゾンビフォントは同じフォントを置き換えインストールすることで出現する
- Windowsのエクスプローラでは見つけられない
- FTPソフトなど、すべてのファイルを表示できるソフトを使って探す
- 見つかったMSゾンビフォントを削除する
ゾンビフォントの存在を確認するには、Windowsのファイルエクスプローラーではなく、すべてのファイルを表示できるサードパーティ製のエクスプローラやFTPソフトを使います。
私は「FileZilla」というFTPソフトを利用しているので、FileZillaでWindowsのフォントフォルダを表示して確認しました。
→ フリーのFTPソフト「FileZilla」(SourceForge)
Windowsのエクスプローラーで開くと、消えている(アンインストールされている)ように見えても、
FTPソフトで見ると、実際はフォントファイルが残っていることがわかります。
あとは、FTPソフト上でゾンビフォントを削除するだけで解決します。
<注>
フロップデザインさんのフォントを例に使わせていただきました。
今回の件とフロップデザインさんは全く関係がないので、誤解のないようにお願いします。
あとがき
後で調べてわかったのですが、MSゾンビフォントに関してはこちらの記事が参考になります。
→ Windows7のフォント上書きインストールはファイルを削除していない(はてな)
コマンドプロンプトが分かる人には、スマートな削除方法が掲載されています。
今回、フォントを整理してこんなトラブルに巻き込まれたわけですが、なぜフォントを整理したかというと、
→ フォント管理ソフトNo1に認定!【NexusFont】(eitch Design)
このソフトを使い始めてから、フォントをインストールして管理する必要がなくなったからです。
このNexusFontにフォントを登録して起動しておくと、一時インストールという状態になり、表示中のフォントがインストールせずに使えるようになります。
おかげさまで、パソコンの起動が軽くなりました。
フォント管理ソフトを導入してから、フォントパックの管理も楽になりました。
このフォントパックは1万円を切る価格(私が購入したときは\8317でした)で、日本語書体を網羅しているので使いがってが良いです。
ただ・・・12526書体も入っていると、全部を使用しないにしても、Windowsのフォントフォルダでは管理しきれないです・・・
そこで、この中から使用するフォントだけを取り出して、NexusFontでタグ付けやグループ分けして、必要なときだけ使うという方法が実現できます。
これで基本的な画像制作には困りませんからね。
では今日はこの辺で。